No2. Rapid Duax stapler 2-170 
(後編)


多くの枚数の紙を綴じるのは容易でなく誰にとってもどちらかと言うと不得手な作業ではないかと思います。

何故不得手かはどうやら簡単に綺麗に綴じられる道具がないからかもしれません。

このデュアックスはこの作業を特別な技術を要しないでこれを完了できる道具なのです。

デュアックス・ステープラーのカッティングメカニズムのみでなく本体そのものがラピッドの得意とする組み立構造に素晴らしい考え方が導入されています。

本体の外観の第一印象は必ずしも高く評価されるものではないかもしれません。

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ご多分にもれずデザインはとかく個人の趣向による部分が強いのですが。

とかくスカンジナヴィアからの製品と耳にすると北欧デザインのインテリア、などに代表されるイメージ抱いてしまいます。

以前から師匠達からその機械製品の評価の一つに如何にネジの数が少ないか、という基準があるとたたき込まれてきたので、デュアックスを最初に見たときに、スカンジナヴィアデザインでなぜ大きめなプラスの鉄板ネジ、M4 x 18が片側に3本づつもこれでもかと言わんばかりにカバーを留めているのかと疑問に思いました。

少なくともこれを隠そうかという試みも伺えないのはデザイン、エンジニアリングの観点からセンシシビィティにちがいがあるのかなどと疑問を抱かせました。

むしろこれをデザインの一要素としているのかもしれません。

実はこの両側にある合計6本、実は4本が本体を組み立てているので残りの2本はステープルのマガジンカセットのリリースボタンを留めています。

このリリースボタンにも業があってボタンはプラスティックの一体成形でスプリングもこのリリースボタンと樹脂の一体成形で出来ています。

本体には合計7本のシャフトが本体と直角にありこの内の2本だけがEリングで溝にとめられていて残りのメジャーなシャフト3本はフリーで分解の時には簡単に手で抜けるようになっています。

このシャフトが左右に動かないように留めているのが両側のカバーです。

このカバーは機能が即ちこのプラス鉄板ネジ4本が本体を組み立てていると言っても言いすぎではないかと思います。

その他にこのカバーはまさにラピッドの得意とする機能を4つも請け負っています。

1.   カバーの保持

2.   シャフトの保持

3.   フロントカバー、メーカではこの部分を「スチールカバー」とよんでいます。

4.   マガジンカセットのリリースボタンの台座

異ななる機器でも精度がでていれば、垂直に力が掛かってもシャフトは水平方向へは全く力が掛かからないので、特に力の掛かっていないときも含めて定位置に納めておくことで本体が一体となっているのです。

カバーがシャフトを左右に動かないようにとめていればそれで充分なのです。

他のラピッドの製品にも同じコンセプトに基づいて設計されている機種が多々あります。

カバーの強度を増進するリブをうまく使ってシャフトを押さえています。

オレンジ色がシャフトを押さえのリブで、グリーンの筒のようものはネジ穴ではなくこの部分が今や流行のクルマでいうのなら、一昔前はシャシャー、今やプラットフォームに匹敵する部分に刺さりフロントカバーを止めているです。

このリブがシャフトを設計値のポジションへ納めているのです。

しかしながら一番の要となるセンターとなるシャフトの片方はアンヴィル・カッティングメカニズムが載っているベース、ラピッドではこの部品名称を「ロテイティングプレート」といっていますがこのロックを操作するメカニズムと干渉しているためEリングで固定せざるを得なくなっています。

あるデモンストレーションで若者が、おそらく日本の同業者かもしれませんが綴じサンプルを触ってみて上手いことをいうなと気にとまったのはあまりにも堅く押し固めてあるのを「また木にもどしたようですね」。

しかしこれをてこの上手な応用で静かに、軽く達成しているのですが、これは簡単な物理の考え方で英語で言う「オフセンター」の考え方で二つの物体を全くの中心に置くと舞台が物理的にこわれないかぎりまっすぐの力に耐えれる感が方がありこのデュアックスの要の重要な部分はこの応用になっている。

この中心を外すといとも簡単に動くのでこれでステープルを曲げ、切断しているのである。

このロック機構ハンドルの押された角度によりレバーを介しロックメカニズムをオフセンターしロックを解除して「ロテイtィングプレート」を押し下げられるようしてステープルを曲げ、切断しているのである。

本体の組み立てには特殊工具が数種類とかなりの業が必要となりますが、部品数を減らすためにかなりのテクノロジーがあらゆるところに駆使されているのには感心します。

思いの外ありとあらゆるタイプ、サイズのスプリングが数多く使われているのもさすがだという感が強いです。

同じ考え方でカッティング・メカニズムを組み立てて一体化しているビスはこのメカニズムを本体に取り付けるための#10トルクスのタッピングビス二本です。

しかしこのメカも他にこのカッターの刃のシャフトが本体をまとめています。

ステープル・マガジンのリリースボタンも実はカバーと共存共栄の設計になっています。

最先端のアクセントとなっているオレンジのカバーは切り取られた余分なステープルのかすを取り出すため取り外しが出来るようになっています。

このセクションのカバーは一切ネジを使わずに本体の取り付けられています。

これはシャフトと同じに両側のカバーの先端、写真ではグリーンの筒が主要な部分を留めていて、先端は本題のプラットフォーム、厚さ2㎜の,プラットホームの先端にプレスで突起を作りここに差し込むようになっています。


主要なネジは御多分に漏れずトルクスが使われています。しかも多くのネジは機械ねじでなく鉄板ビスです。セルフタッピングか鉄板ビスです。

他のラピッドの製品にも共通していえることは単に操作が軽いことだけでなく音が静かだというエンジニアリング的にはかなり高度な技術レベルを達成している点が上げられます。

このデュアックスも例外でなくかなり複雑な機構にもかかわらず静かなことがあげられます。

と同時に本体も綴じる作業の過程で移動しないように設計されていることもあげられます。

不要な力がもれていない証拠ではないかと思われます

上で説明させて頂いたとおりでカラ打は厳禁です。綴じる対象の厚さをはかるメカニズ2枚でも紙があるか無いかで針がメカニズムに巻き込まれるのを防ぐためでもあります。カラ打ちは故障の元となります。

いかなるステープラーでもあくまでも本体とステープルとの相性が一番大切なので純正のステープルを使って頂かないと性能が設計値どおりに発揮出来ないだけでなく、本体の故障をも導く結果となることを最後につけ加えておきます。

フィンランドのさるメーカーの工場に隣接しているエンジナリング部のコピー室にも2台デュアックスを見かけました。北欧の企業ではコピー室、コピーセンターでの必需品となっているようです。

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